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Thousand Valleyのオウンドメディア

Choose Your Life

Ep.12

イラストレーター 松原光氏インタビュー

本日はDraw Pac ver.8発売を記念してデザインを担当していただいたイラストレーター 松原光氏にお話を伺います。

雑誌「POPEYE」の表紙イラストを手掛け、BEAMS、JOURNAL STANDARD FUNITURE、LACOSTEともコラボレーションをしてきた注目のアーティスト。幼い頃は海外で生活し、漁師からアーティストへとユニークな道を歩んできた松原光さん。これまで歩んできた人生、葛藤の中から生まれた作品、人生のターニングポイントで何を選択してきたのか、じっくりお話を聞いていきます。

- 漁師、アルバイト生活からアーティストへ -

TV 

光さん本日はよろしくお願いします。

松原光氏(以下光さん) 

よろしくお願いします。

TV 

さて、いつもインタビューなどで聞かれていると思いますが、改めて漁師からアーティストになったきっかけを教えてください。

 

光さん

大学生の時に、商社に就職希望だったのですが、当時は就職氷河期で内定が取れませんでした(笑)。就職浪人はしたくないなと思った時、フットサルチームに漁師の人がいて自分的にタイミング合ったことから入りました。漁師自体は一年弱くらいで辞めたんですけど、そこからすぐアートの道に進んだわけでもなく、フリーターとして時間を過ごしていました。

TV 

そのあとはどう過ごしていたのですか?

 

光さん

気づいたら25歳、26歳になっていて同級生は就職して家庭を築いたりと頑張っている。。僕はというと10代に混ざってバイトしていて(笑)。このままいったらまずいと思っていました。バイト仲間に「いつまでバイトしてるんですか」ってイジられた時とか半分笑いながら自分でもまずいと思いつつも、僕は特殊技能があるわけではなかったので自分がやりたい仕事や将来を真剣に考えていました。

 

性格的にもサラリーマンは自分には少し合わないなと思い何の職業がいいのかとノートに好きなものを箇条書きで書き出していきました。最終的に好きなことは「サッカー、犬、アートやデザイン系」の3つに絞りました。次に3つから派生する仕事を書き出しました。例えば、サッカーだったらスタッフ、トレーナー、犬関係だとドッグトレーナー、ペットホテルとかです。犬は命を扱うので責任が大きいと思い、サッカーはプレーするのが好きだったので、最後に残ったのがアートでした。


 

TV 

なるほど、そこからアーティストへの道へ?

 

光さん

学校も行ってないし、ギャラリーや美術館に行くのが好きなだけで、、、

どこから手をつけていいのかわからなかったので、芸術大学や専門学校を受けたのですが結果的に落ちてしまって。僕は勉強がすごく苦手で(笑)。自分で描いてはThumblr(SNS)で投稿するのを繰り返していました。それが始まりです。

- 両親の転勤で得た初期衝動的感覚 -

TV 

小さな頃から国内外を転々とする生活だったということですが、幼少期はどんな子だったのですか?

 

光さん

父が製薬会社に勤めていて、海外への転勤にもついて行くことがありました。

転勤が結構多く、2〜3年スパンで転々としていました。生まれは岡山なんですが、東京、長野、兵庫、大阪、そのあと5歳の時アメリカで4年間過ごしました。そのあと帰ってきて、2年間兵庫で過ごしたあと香港に行きました。

最終的に帰ってきたのが中学一年とかですかね。

TV 当時影響を受けたモノ、コトなどありましたら教えてください。

 

光さん

今でもよく言われるのですが、絵が海外っぽいねって言われます。

意識はしていないのですが、アメリカの生活がどこかで滲み出ているのかなって思うことがあります。アメリカで見ていたニコロデオンとカートゥンネットワークという2つのアニメチャンネルがあって、僕はニコロデオンを見ていました。

「ラグラッツ」っていう赤ちゃんがしゃべってトラブルを起こすみたいなアニメとか、「原始家族フリンストーン」、「パワーパフガールズ」を見ていました。

当時はシカゴに住んでいて、NBAブルズの人気が全盛期でした。クラス中がマイケル・ジョーダン一択でしたね(笑)。アメリカでは当時バスケかアニメ、そんな環境でした。家の近所にもコートがあったので、そこに行けばいつも友達がいるといった生活を送っていました。

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TV

アメリカ生活で一番印象に残った事は?

 

光さん

ハロウィンの時にマイケルジョーダンの家に行きました。近隣ではジョーダンの家を

回るのがルートだったんですよ。ジョーダンもウェルカムだったので行っていました。

 

TV

すごい!
 

光さん

ジョーダンの家は、門から家までがとても遠いので敷地内も車がないと回れないです。家の前までなんとか行ってジョーダンからお菓子をもらうという形でした。父親がチケットをよくもらってきてくれていたので試合も結構見に行きました。幼少期はブルズ大好きのイメージが今でも自分の中で色濃く残っています。作品でもオレンジを多く使ったり、バスケがよく出てきたりするのはその影響が強いと思います。

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- 取捨選択〜人生の大きな岐路へ -

TV 

話は戻りますが、アーティスト活動を始められた頃はThumblrに投稿を続けていただけですか?

 

光さん

SNS投稿だけじゃ人の目につかないのでフォロワーを増やさなきゃいけないと思い、最初はアートイベントによく出ていました。イベントもハードルの低い、フリーマーケット的なイベントから展示していました。とりあえず名刺も配りまくって、人に知ってもらうっていうことに集中していました。

TV 

コツコツ地道に活動を継続してきて、アーティストとしてご自身のターニングポイントはいつだと考えますか?

 

光さん

雑誌ポパイの表紙の時です。間違いなくそこがターニングポイントだと思います。

その前からも少しずつお仕事は頂けるようになっていて、書籍、単行本、雑誌の表紙が

主でした。挿絵とか表紙とかの仕事も舞い込んできましたが、それだけでは食べていくことは難しかったので当時はお花屋さんでバイトをしていました。

TV 

雑誌「ポパイ」のお仕事はどのようなきっかけでしたか?

光さん

ビジョントラックというエージェント会社に所属していたのですが、編集者の人が僕の作品を見て目に留まったという感じです。

雑誌「ポパイ」で認知度もすごい上がり、書籍以外の仕事も増えて、アパレル、広告などのお仕事も頂けるようになりました。ポパイのお仕事がきっかけで幅もすごく広がりました。

本当にありがたいです。

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- ユーモアが源の作品創り -

TV 

ここから作品についても詳しく伺っていきます。今のスタイルはどのようにして生まれたのでしょうか?

光さん

描き始めのころは、シンプルな線だけのスタイルが主流でした。シンプルだから真似しやすかったんですよね。今人気な方でいえば長場雄さんとか。シンプルって難しいんですけど、絵の技術がないからデッサンみたいなのはできなくて。

線画ならいける!と思い練習しながら描いていました。でも、それだと真似になっちゃうというか、、誰かっぽいねって思われることも多かったです。ただ技術がないから線画からは離れられない、でも人との違いも見せないといけない。シンプルな形を組み合わせたら技術がない僕でもそれっぽく見せられるっていう形に辿り着きました。

 

TV 

今の作品は丸や四角など太い線などで構成されていますね。

光さん

芸大を出ていれば同級生と作品を比べることで切磋琢磨できるのですが、僕は比べる人がいなかったのでインスタ(SNS)を使って活躍している人を見ていました。

同じ生業で勝負する時、初期の作風はかなり見劣りするわけです。どうしたら他のアーティストたちと対等に見られるのか、楽しめる作風にできるのかを考えて誰もがやってないことを取り入れるかなど常に考えていました。

 

TV 

作品を作るときに一番大切にしていることってなんですか?

光さん

少しユーモアがあることを大切にしています。例えば、だまし絵だったり、シンプルだけどハッとなるようなギミックを入れたり、シンプルなだけじゃ作品に厚みが出ないので色々とアイデアを落とし込んでいます。

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TV 

なぜ作品にユーモアを入れようと思ったのですか?

光さん

当時あまりしている人がいなかったっていうのが大きな理由です。福田繁雄さんというアーティストの方がいらっしゃって、その方の絵は、すごくシンプルで色も少ないのですがどこかにユーモアが入っています。だから僕もユーモアがある絵は見たくなる絵だと解釈しています。以前イベントに出た時に福田繁雄さん風?っぽく絵を描いて展示していたのですが、たまたまスペイン人の方が僕の作品を気に入っていただき、その後彼と飲みに行ったのですが、実はその方はTumblrでフォローしているアーティストの方だったのです(笑)

そのアーティストの方も福田繁雄さんがすごく好きで、シンプルながらもユーモアを取り入れている方です。飲みの席で「なんであれだけかっこいいのに福田繫雄さんを連想させるような人が日本で出てこないのか?」っていう会話になったとき、自分でも確かにそうだ!と閃き、「これは自分のカラーとして取り込むことができるな」と。

少しアーティストとして生きていく道が見えた気がしました。

 

 

TV

ユーモアもそうですが常にアイデア、創造、発想を出していかなければならないお仕事ですが、そのために日々やっていることなどはありますか?

光さん

こればっかりは今でもわからないです(笑)。例えば今回、山人参のパッケージの依頼を頂いたんですけど、山人参というキーワードだけ頭に入れておいてそこから机に向かって考えるというよりは、僕は日常生活でアイデアが浮かんでくるという感じです。どういうタイミングかわからないですけど、山人参とつながるものが見えるときがあって。

山人参というワードが頭に入っているからだと思うんです。探そうとするより不意に突然浮かんでくる。クライアントワークはこのパターンが多いです。個展とかの場合は無理矢理にでも散歩してアイデアを見つけに行くという感じですが。。。

数が多く、偶然を待っていられないので(笑)通ったことない道とかを歩き回って見つけていく、探っていくそんな感じだと思います。”思いつくまで帰れません”を勝手に一人でやっている感じです。

 

TV 

突然降ってくるインスピレーションの源は何だと思いますか?

光さん

お笑いが好きなので、昔のバラエティとかラジオとかが好きです。村上隆さんが有名になったのは日本のオタク文化を現代アートで翻訳して世界に広めたからだみたいなのを誰かに聞いたことがあって、それを僕に当てはめるとアートでお笑いとかを翻訳して落とし込んでいるのかなと。お笑いはユーモアの元になっています。

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- 伝わりやすい絵を描くために -

 

TV 

とあるインタビュー記事では「パッと見て誰もがわかる共通認識を探しています」とひかるさんは仰っていましたが、共通認識の重要度とは?

光さん

共通認識を使うことが「パッ」と見たときビジュアルコミュニケーションとして伝わるというか、、例えば音楽というテーマだと、音符を思い浮かべる人って多いと思います。伝わりやすくするために、作品を見た時「パッ」と思い浮かべるようなイメージをして創ります。

 

TV 

創作への情熱や、やる気を保つ為にやることとは?

光さん

「食っていくためにこれしかない」です(笑)もちろんありがたいことですし、アーティストとして生活できると思っていなかったのですごい幸せです。今は本当にやりたいことをやっているという感じです。毎日描いてるかって言われたら描いてないですし、僕は絵が好きというか、絵のことを考えるのが好きです。例えば「誰もが見たことない絵を描くにはどうしたらいいか?」とか、「どんな発想があったら面白いかなぁ」とか、そういうことを

考えるのが好きです。

 

TV 

色へのこだわりはありますか?

光さん

元々そんなに色を使うタイプではないので、ある程度使う色を決めています。オレンジ・緑・青・黒・ピンクと決めて使っています。誰もがわかりやすいようなベーシックな色です。りんごなら赤、葉っぱなら緑みたいな感じですね。僕にとってはいかに伝わりやすいかが大切です。

TV 

現在国内外のアートシーンが結構盛んだと思うんですけど、その中で気になるアーティストはいますか?

光さん

アイデアを練るときも街中から連想するので写真集とか結構好きですが、濱田紘輔さんの撮る写真が好きです。一度お会いしたことがありますが、色味、風景、人物がすごく好きです。アメリカの風景も撮るので何か懐かしさを感じます。

今後プロフィール写真も撮っていただく予定です。

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- 日本山人参 x 松原光 -

TV 

話は変わりますが、今回のコラボレーションについてお聞きしたいと思います。2月22日にコラボレーションパックがリリースされます。どのようなパッケージなのかお話を聞かせてください。

光さん

親しみを持ちやすいような山人参を入れたポップなキャラクターがイメージです。

最初に山人参の話を聞いたときは、危ないモノなのかな!?と(笑)大丈夫かなって(笑)これは飲んでもいいものなのかって思う人もいると思うので、親しみやすいイラストにしました。飲んでもいいんだよと。

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TV 

突然個展にお邪魔し薬草の話をしたので完全に怪しまれていますね(笑)

アーティストの方は不規則な生活をする方も多いと思います。アーティストの方こそ健康が大事だと私達は思っています。日々のコンディション作りに心がけていることはありますか?

光さん

本当に何も気にしてなかったですね。どっちかと言えば昼夜逆転も多かったし、ご飯も自炊が得意ではないです。たばこは吸わないしお酒も家では飲まないので基本健康的だと思うのですが、食生活に関して言えば気を使えていません(笑)

 

TV 

山人参を飲み始めてから変わったことはありますか?

光さん

疲れにくくなりましたね。忙しくて睡眠がなかなかとれなくても、以前より無理がきくようになりました。

 

TV 

山人参を飲んでいただいている方からはそのような声がかなり多いです。

光さんにとって山人参はどのような存在ですか?

光さん

将来への予防ですね。何事も体が資本です。

 

TV 

予防のためにも是非山人参を飲んでください。

光さんの人生にとって作品を作るとはどんなことですか?
 

光さん

自分の人生が助かったという感じです。少なからず才能があってよかったなと思います。

一歩間違えればバイトしかしていない人生だったかもしれません。今はいろんな人とつながることができて仕事ができてほんと幸せです、関係者の皆様に感謝しかありません。

だから共通言語みたいな存在です。そのおかげでいろんな世界の人と会話できるようになったみたいな感覚です。

 

TV 

ひかるさんが自ら選んだアーティストという選択から世界が広がったような、とても大きな存在ですね。最後に今後の予定を教えてください。

光さん

今年の春あたりに東京で個展を開催する予定です。SNSをチェックしてみてください!

 

TV 

本日はありがとうございました。

さんの作品からは本人の優しさや楽しさを大切にしている姿勢が感じられます。

「いかに伝わりやすいか」というキーワードは何にでも大切なことで、良い物だとしても、きちんと伝わらないと勿体ありません。私たちもこの日本山人参をもっとシンプルに伝えていこうと思います。

 

今回の山人参コラボレーションパッケージには可愛いキャラクターが登場!

2月22日より 限定数発売です!詳しくはThousand ValleyのSNS、HPをチェックしてみてくださいませ。

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松原光

1988年生まれ。漁師などを経て、アーティスト活動をスタートする。

グラフィカルな形とシンプルな線に少しのユーモアを交えた表現をするアーティスト。
adidas、LACOSTE、POPEYE、BEAMS、SUNTORY等にアートワークを提供している。

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